KAGE(影)システム
- KAGEシステム(Kanji-glyph Automatic Generating Engine)は、漢字字形(グリフ)の中間記述形式、字形ファイル生成エンジン、字形デザインエディタ、TrueTypeフォント生成ツールなどの関連ツールの総称です。
- 従来の文字フォントのデータ形式は字形輪郭のアウトライン形式(およびビットマップ形式)です。この形式はベクトル画像のデザイン技能を要するため、万人にとって使いやすいものではありません。
- そこで、漢字を部品や筆画に分解し、その種別や位置情報の組み合わせで漢字字形を表現する中間記述形式(KAGEデータ)を提案します。これによりだれでも容易にあらゆる漢字字形を扱うことができるようになります。
- 作成した字形データは、専用のエンジンを利用して、明朝体によるグリフ画像をPNG形式やSVG, EPS形式で出力することができます。
- PNG形式の画像は、HTMLドキュメントから呼び出すことができるほか、アプリケーションに貼り付けることができます。
- SVG形式の画像は、Mozillaなどの対応ブラウザでHTMLドキュメントに埋め込むことができます。
- EPS形式の画像は、アウトラインの高品質な図形データをそのままMicrosoft Wordなどに貼り付けることができます。
- グリフ画像生成エンジンはオープンソースで開発されています。
- 関連プロジェクトとして、これらの作業をまとめてインターネット上で行えるグリフウィキ(GlyphWiki)を運用中です。
生成グリフサンプル
サブプロジェクト
KAGEデータ(字形中間記述データ)からグリフ画像ファイルを生成するエンジン
漢字グリフ統合管理Webサイト
フリー(自由、無償)の漢字フォント
簡単に漢字字形をデザインするための専用エディタ
目的
主目的は、既存のPC資源にないグリフを使いたいと言う要望を満たすことです
- 文字コードに収録されない文字
- まだ登録されていない
- 典拠がはっきりしない
- 字形が揺れる
- 文字コードに収録されている文字の異体・異形
- フォントとして多くのベンダーでは実装されていない文字
- ISO/IEC 10646のExt.A,B,C,DやAdobeJapan1-6など
- 自分のPC環境で利用できないフォント
- フォントライセンスの問題、フリーフォント
- 特に具視化に重点をおいています
関連論文・発表等
(GlyphWiki,花園フォント関連を除く)
- 上地宏一,「KAGEシステムによる漢字フォント制作支援」,『CHISE Conference 2005 報告書』, pp.21-26, 京都・国際交流会館, 2005年10月13日.
- 上地宏一,「KAGE/cgiによる漢籍コンテンツの作成支援」, 漢字文献情報処理研究会第6回大会, 東京, 2003.
- Koichi KAMICHI (上地 宏一), KAGE - An Automatic Glyph Generating Engine For Large Character Code Set, 「書体・組版ワークショップ報告書」, pp.85-92, Glyph and Typesetting Workshop(書体・組版ワークショップ 京都大學21世紀COE 東アジア世界の人文情報學研究教育據點), 2003年11月28-29日, 京都大学人文科学研究所.
- 上地宏一,「漢字グリフ自動生成による多漢字処理環境の提案」,Linux Conference 抄録集:第1巻, 大阪, 2003.
- 上地宏一,「KAGEシステム: グリフ配信と生成文字品質の向上にむけて」,CHISE Symposium 2003, 東京, 2003年3月15日.
- 上地宏一,「漢字字形の自動生成とネットワークフォント」, 第5回漢字文献情報処理研究会大会, 京都・花園大学, 2002年12月7日.
- 上地宏一, 「漢字グリフの自動生成とオンライン整姿によるパブリック・ネットワーク・フォント構想」, 漢字情報基礎論研究会, 京都大学人文科学研究所附属漢字情報研究センター, 2002年12月6日.
- 「漢字フォント自動生成サーバ"影 KAGE"の構築 -文字コードの枠組みを越える次世代漢字処理の提案-」, 『漢字文献情報処理研究 第3号』, pp.4-13, 漢字文献情報処理研究会, 好文出版, 2002.
- 上地宏一,「初等・日本語教育における漢字学習用Webコンテンツ向けフォントサーバの開発」,『日本教育工学会第17回大会講演論文集』, pp.623-624, 鹿児島, 2001.
- Koichi KAMICHI, A Suggestion and Its Technical Resuirement of the Automatic Font Generating System of the Chinese Character, Proceedings of 2000 International Conference on Chinese Language Computing, pp.39-43, Chicago, 2000.
備忘
GlyphWikiの前身
GlyphWikiの前身
GlyphWikiの前身
花園フォントの前身
花園フォントの前身
KAGE/engineの前身
充電中